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草の根活動日記
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昨日は久しぶりに『拾得』の飛び入りライブに出掛けてきた。拾得とは自分の青春のすべてを捧げた京都のライブハウスだ。

数日前から胸の高鳴りが凄かった。なにしろ一年振りぐらいの拾得だ。この一年間、名古屋で色々なことがあった。KD JAPONに4回も出演させてもらった。
拾得の店長、テリーさんに今度こそ、自分の音楽を認めさせたかった。
拾得の『飛び入りライブデー』というのは誰でもステージに立てるイベントなのだが、通常の日に拾得にブッキングされるには、このテリーさんに認められなければならない。私は十代で拾得に足を踏み入れてから十年以上の間、このテリーさんにずっとダメ出しされ続け、一度も飛び入り以外のステージに立たせてもらったことがない。

与えられた15分のステージで3曲、全力で歌いきった。力みすぎて空回りしないように気をつけた。今までテリーさんにダメ出しされ続けてきたことは`音を外して歌っている`…ただこの一点だけなのだ。
半年前から歌唱教室にも通った。ハポンでステージングも磨いた。そして、何より名古屋の気鋭なアーティスト達から強烈なインスパイアを受けた。もう自分は若くないが、今が今までで一番輝いてる自信があった。

出演者皆の演奏終了後、テリーさんの横に座り感想を求めた。
『歌、だいぶうまくなってませんでした?』と私が聞くと『ラップでしょ』と笑われた。この日、3曲ともラップを取り入れた曲を歌ったのだ。ああだこうた色々話していると、東京から来てた若いフォークシンガーがテリーさんに売り込みにきた。すると、信じられないことに、私の前でテリーさんは『来月の25日の金曜が空いてるけど、どお?』とその若者をすんなりと受け入れた。…ふざけんなよ…悔しさがこみ上げてきた。私は立ち上がって近くにいた店員の野村麻紀に泣きついた。『陰口はやめなよ』と言われたので、直接テリーさんに『こっちは十年以上、ライブさせてくれって頼んでんのに…』と言って拾得を飛び出した。
帰りの車の中で1人泣いた。飛び入りなんて出演者ばかりで一般の客なんてほとんどいない。もっと華やかなステージに立ちたかった。日陰で年とっちまったじゃねーかよ、チクショー…
テリーさんのこの厳しさには心から感謝している。
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