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草の根活動日記
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一昨日、仕事が終わり、私は金山駅にギターを持って出掛けてきた。日曜の夜、ここで遭遇したスーパースターの卵、“まんまん"さんとコラボをする約束をしていたのだ。
約束の時間、7時ぴったりに“まんまん"さんは現れた。そして、私にグミを差し入れとしてくれた。そして、すぐに“まんまん"さんは独自のパフォーマンスを開始し出した。金山駅南口中央に立ち、神経を統一した後、奇声を発しながら遠くの方に走っていった。そして、また戻ってきて独自のダンスを披露し続けた。ものすごく大勢の人がそのパフォーマンスを目を点にして見ていた。会社帰りのサラリーマン、学生、老夫婦…そのパフォーマンスを見ていると、私達が普段、どれだけしがらみの中で殻をかぶって生活しているのかを痛感させられた。“まんまん"さんのその剥き出しのパフォーマンスは私達に強烈なメッセージを投げかけていた。本人は本能のままに衝動的にパフォーマンスをしているんだと思う。しかし、そこには人間が持っている純粋さの結晶があった。

パフォーマンスを終えた“まんまん"さんが私の元へ戻ってきた。内心、すごく動揺していたが、冷静な振りをして「みんな真剣に見てたよ」と言ってやった。そして、その場で今後の音楽活動に対しての私の長期ビジョンを説明した。まずはライブがしたいと話したのだが、KD JAPONも知らないようなので、「オリジナリティがあるほどウケる」と説明すると、「アングラですか?」と聞いてきたので「思いっきりアングラ」と答えるとすごく喜んでくれた。

私はこの日のコラボの為、2曲の課題曲を用意してきた。1曲は“まんまん"さんが最も好きだと言う曲、太田裕美の「木綿のハンカチーフ」。もう1曲は私が邦楽で最も好きな曲、小林明子の「恋におちて~Fall in love~」。早速、私のギターに合わせ“まんまん"さんに歌ってもらった。演奏を開始してすぐに“まんまん"さんのファンだと言う若いカップルが目の前に座って鑑賞してくれた。この日“まんまん"さんの高校時代の友人も来てくれていた。
初めてのセッションなのに“まんまん"さんは激しいパフォーマンスを交えながら歌ってみせた。私はこの時、確信した…この人は本物のスーパースターになる…胸騒ぎを抑えるのに必死だった。歌い終わった後“まんまん"さんが「どうでした?」と聞いてきた。私は「歌はわからんけど、パフォーマンスは完璧」と答えた。すると「パフォーマンスは10分の1の力しか出してないけど、歌は100%出した」と言って悔しがった。私は「まだ自分の殻をかぶっていて、おどけているように感じる。もっと素直になって歌えば、もっと人の心に響くはず」そんな風に偉そうに答えた。歌に関しては一切の妥協をしたくなかった。とりあえず、これから週1のペースで金山駅で練習することが決まった。
最後に“まんまん"さんから「あなたの目指している世界が高すぎてついていけない」と言われた。そして、しばしの沈黙の後、「ゆっくりやっていきたい」と言ってくれた。確かにここ最近の私の上昇思考は端から見たら異常かもしれない。しかし、私にはまだまだやりきれてないことが山ほどある。「俺の上昇思考は無視していいよ」と言うと「やるからにはちゃんとやります」と返ったきた。涙がちょちょぎれそうになった。
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先週末も懲りずに名古屋の街をひたすら歩いたよ。スーパースターを発掘すべく。これまでに名刺を渡した人からの返事はまったくない。路上で外見だけで判断し、私の変な歌を歌ってくれる人を発掘するのは、宝くじで一等を当てる確立より難しいんじゃないかという気がしていた。
先週末は「栄スプリング」という音楽イベントが栄で開催されていたので、音楽好きな人は首にカードをぶら下げて歩いていた。なので、音楽好きな人を判断することは簡単にできた。しかし、いざ選りすぐりのロックスターっぽい格好の人に声をかけても、「私、歌ヘタですよ」という返事が返ってきた。確かによくよく考えれば、歌がうまい人なんて世の中にそんなにいるわけないのだ。何万人というオーディションから選ばれたプロのシンガーを見ても、それほどグッとくる人はいない。
自分の理想とする音楽は自分で考えている以上に高いんだと思う。それでも、正直な所、うまいヘタは別にして、一緒にステージに立ってくれる人が必要だった。世の中をひっくり返すには、圧倒的に存在感のある人がもう一人必要だった。


最後の望みをかけ、金山駅に向かった。金山駅南口には連日連夜、自分の表現欲を抑えきれないパフォーマーがしのぎをけずっている。

そして、とうとうこの場所で奇跡が起きた!!ここで、私はとんでもない怪物との遭遇を果たす…正真正銘、本物のスーパースターの原石を見つけてしまったのだ。あまりに凄すぎて、今だ胸騒ぎが収まらない。この胸騒ぎが止まってから、改めて、その人について書こうと思う。本当に圧倒的に凄い…
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