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草の根活動日記
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今日は祝日で休みだった。3/16のCD発売まで残す所あとわずか。もうそろそろ本格的なレコードショップへの営業を開始しなければならないというプレッシャーを感じ、目が覚めた。
愛知県内でインディーズ作品を試聴機展開してくれるレコードショップというのは限られてくる。私は今日までの人生の大半の週末をレコードショップ巡りに費やしてきた。営業をかける店舗は自分の中で数店舗に決まっていた。憧れの聖地に自分の作品が並ぶなど本当に夢のような話しだが、今まさにそのチャンスの真っ只中にいるのだ。今日、必ず1店舗だけでも営業をしようというノルマを自分に課した。
まず、その店舗のインディーズ担当者にアポイントを取らなければならない。私は普段、営業の仕事を本業としているのだが、このアポ取りほど気の重い仕事はない。飛び込み営業の方が気が楽だ。飛び込み営業は相手の顔が見れるが、電話でのアポ取りは、声だけで自己紹介し、相手の都合のいい時間帯を聞き出さなければならない。今日も電話をかける前、深くためらってしまった。若い華のあるミュージシャンが店舗に訪れるならまだしも、私のようなむさい華のない人間が店舗に訪れても、かえって逆効果ではないか…とかいろんなことを考えてしまった。しかし、直接頼まない限り、試聴機展開などまず叶わぬ夢だろう。作品自体には絶対的な自信がある。しかし、私はまったく無名な人間だ。(株)ブリッジからサンプルCDRを送ってくれていても、それを聴いてもらえる可能性すら低い。営業マンとしての自分のプライドにも懸けて、とにかく行動に移さなければならなかった。深いことは考えず、携帯をプッシュした。
声の震えを必死に抑え、電話越しに自己紹介をした。「私、名古屋で音楽活動をしているHADAと申します。3月にCDを発売するのですが、一度紹介に上がらせて頂けないでしょうか」…こんな感じでなんとかアポ取りに成功した。今日の夕方5時半に会ってくれるということになった。

約束の一時間前にその店舗が入っているショッピングセンターに到着した。実はこのショッピングセンター、私が過去に警備員をしていたことがある巨大モールだ。ここに来るとあの頃の必死だった日々が蘇る。つらい時の思い出ほど、鮮明に自分の中に残っている。
5時半、約束の時間がきた。店舗一番奥のインディーズコーナーに行き、担当者の方を呼んだ。名刺、サンプルCDR、注文書を渡し、雑談を交えながら、作品をアピールした。素敵なバイヤーの方だった。
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