今週末も名古屋の街をひたすら歩いた。スーパースターの原石を求めて。前の日記で紹介した人からの返事は結局来なかった。私のホームページ、マイスペースを見た上で歌手志望として名乗り上げるには、相当な決意と勇気が必要だろう。マイスペースにアップしてる古賀さん(KOGA)が歌う「急性アルコールブルース」を聴いたら、大抵の人は尻込みしてしまうはずだ。自分でもあれ以上の歌はないと感じている。しかし、古賀さんを超える人材を探し出さなければならない。
自分にはメジャーレコード会社のように、オーディションで何万人もの人を集めることはできない。しかし、メジャーのヤツらに勝たなければ意味がない。じゃ、自分にできることといったら何か…自分で街を歩き、何万人もの人の中から、自分の“眼力"でスーパースターを発掘するしかない。一歩間違ったら、ただのナンパだと勘違いされてもおかしくない行為であることは百も承知だ。しかし、誰からどんな目で見られようと、自分の営業力のすべてを結集し、これを人生最大の大仕事にしなければならないと思った。でなきゃ、永遠の一人相撲になりかねない。いい加減、こんなみじめな人生はイヤだ。自分の運命は自分で切り開くしかない。日本の音楽シーンをひっくり返すには、ビジュアル的にも光輝いてる人が必要であることは間違いない。
しかし、いざ、ロックスターたる人を探して名古屋の街を片っ端に歩いても、そんな簡単に見つかるはずもなく、砂漠に咲く一輪の花を探すような行為だった。普段、何気なく街を歩いている時は、イカした子で溢れ返っているように感じていたが、じっくり凝視しながら観察していくと、ステージ上で輝くような逸材とはなかなか出会えなかった。自分が探しているのは「シンディ・ローパー」「ローリン・ヒル(THE FUGEES)」「ジュディ・シル」「浅川マキ」「M.I.A」「松田聖子」「木村カエラ」「やくしまるえつこ(相対性理論)」「古賀さん(KOGA)」らに匹敵するぐらいのポテンシャルを持った人だった。
そんな中、くたくたになるまで歩き続けた結果、奇跡的にも計2人のスーパースターの原石を発掘し、声をかけ名刺を渡すことに成功した。もちろん、見た目だけの判断なので、歌がうまいとは限らないし、このホームページを見た上で連絡をくれる可能性は極めて低いだろう。しかし、世の中のどんなにすごいバンドも、奇跡的な人物同士が出会い、そこでビッグバンのような化学反応が起こっているわけだ。自分の眼力を信じて待とう。
PS 止まっていた携帯、復活しました。我こそはという方、連絡待ってます。
ただ悔しいのは、「MUSIC MAGAZINE」と「CDジャーナル」以外の音楽雑誌がどこも取り上げてくれなかったということ。所詮、メジャーレコード会社の広告媒体でしかないのかと思った。新参者への壁は思ったよりでかいようだ。去年、インディーズで一番売れ、今も破格的に売れ続けている「相対性理論」のように、マスメディアに一切露出しなくても売れる音楽は売れる。方法が大事なんだ…
愚痴はこれぐらいにして、次なるステージに向かわなければならない。実はもうすでに、新しいアルバムを一枚作るだけの曲数はできている。アレンジはまだされていないが、トラック制作担当の山根には、新しいトラック作りの依頼もしてある。ただ、前作を上回る作品を作るには、自分の歌唱力ではダメなような気がしている。古賀さん(KOGA)も前作だけのサポートでお願いしたので、次の作品への参加はない。正直、ここ最近、出来上がった新曲は…メチャクチャ凄い。しかし、私自身が歌いこなせていないのが現状だ。ラップ部分だけが唯一、人に聞かせられるレベルだ。
熟慮の末、変わりに歌ってくれるシンガーを探すべく、名古屋の街にスカウトに出掛けてきた。
雨が降る名駅周辺を午前中、しらみつぶさに歩いた。通り過ぎる女性をガン見しながら。存在だけで人を惹きつけられる、オーラが凄い人を探し回った。しかし、まったくいなかった。皆、どこかチャラチャラしていて、センスがぜんぜん感じられない。
場所を移すことにした。昼から大須の街をしらみつぶさに歩いた。しかし、ここにも私が求める「グッとくる人」はいなかった。ノスタルジックなレトロな感じの人が多かったが、モダンな新しいセンスが私の曲には必要だった。
名古屋で一番オシャレな街、栄に乗り込んだ。足はもうくたくただった。しかし、ここにも私の探し求める理想のシンガーたる人はなかなかいなかった。いたとしても、彼氏と腕を組んで歩いていた(これは冗談です)。本当にいなかった。
最後に某デパートの楽器売り場に貼ってあるメンバー募集の張り紙を見に行った。しかし、該当者なし…当然だ…名古屋中歩き回ってもいなかったのに、こんな相手の顔も見えない掲示板で見つかるわけがない。
諦めて帰ろうと、最後に店内をブラブラしていた、その瞬間だった。目の前に稲妻が走った。「獲物は帰り際に現れる」…どこかの小説で読んだことがある。今までの人生で見たことがないほどのオーラを放つ女性がそこにいた。自分の中の何かに一瞬で火がついた。その女性が店内から階段に出た所で声をかけた。
「あ、あのすいません、ちょっといいですか?」
怪しい目で見られた。
「今、シンガーを探しているんですが…(深呼吸して)歌を歌ってくれる人を探してるんですが、興味ないですか?」
「ない」と言われたがとりあえず名刺を渡しておいた。